少子高齢化社会において、夫婦間のセックスレス問題の広がりを、専門家は懸念しています。その現状は、出産後にEDになる男性が少なくありません。女性が育児をしつつも旦那さんとのスキンシップを求めていても、男性の方は気持ちの部分とは裏腹に、体が反応しないといったケースも多く見られます。そこで役立つのがED治療薬です。

ED治療薬

ED治療薬の役割はPED5を阻害することで、cGMPの量を増やし勃起を維持します。詳しく理解するには、まず勃起するメカニズムを知らなくてはいけません。

勃起するメカニズムとは

勃起は、脳が性的刺激を感知するとまず、陰茎に信号を送ります。そうすると、cGMPという物質が放出され、陰茎の平滑筋が弛緩して海綿体に血液が流入して勃起します。勃起を即すcGMPは、やがてPED5という酵素によって分解され消えていきます。

そして、ED治療薬はこの過程に着目しています。すなわち、このPED5を阻害することで、cGMPの量を増やし、男性の陰茎の勃起を維持するよう働きかけます。

ED治療の種類

現在国内で、ED治療に使用される薬は3つあります。

• バイアグラ
• レビトラ
• シアリス

の3種類です。ここでは、この3つのED治療薬の違いについて紹介します。

バイアグラ

バイアグラは最もED治療薬として歴史の長い、即効型のED治療薬です。世界で初めて商品化されたED治療薬の定番ともいっていい薬でしょう。多くの国で使用されており、歴史も長いED治療薬ですので、それだけ信頼できる薬です。一般的にED治療薬には併用禁止の薬が多いのが特徴です。

バイアグラの場合は、レビトラやシアリスよりも併用禁忌薬は少ないとされています。バイアグラは内服後30分～60分で効果が発現するタイプで、ピークを迎えるのが1～2時間、約5時間ほど効果が持続します。ただし、食事した後は、薬剤の吸収が緩慢になり、効果が低下することがあります。そのため、薬を飲むタイミングに悩むかもしれません。

レビトラ

レビトラは超即効型のED治療薬です。内服後15分で、効果が発現します。ピークはバイアグラと同じく1～2時間です。持続時間は約8時間とバイアグラと比べて長い特徴があります。また、バイアグラより併用禁忌の薬が多く、服用する際はちゃんと医師に現在飲んでいる薬を申告する必要があります。アルコールや食事の影響をあまり受けないとされており、飲食した後に内服できます。ただ、高脂肪な食事（バター、ウィンナー、ベーコン、マヨネーズ）の影響を受けやすいので注意が必要です。ほてりや頭痛などの副作用が比較的少ない薬として知られています。

シアリス

シアリスはマイルドに長時間効果が続くED治療薬です。効果の発現は内服してから30分～60分で発現し、3時間後にピークを迎えます。持続時間は約36時間。効果が最大になる時間が2時間とほかのED治療薬と比べて遅いのですが、食事やアルコールの影響を全く受けないため、内服するタイミングをとりやすい特徴があります。

ED治療薬の副作用

副作用で最も多いのは、潮紅とほてりです。ほかにも動悸、頻脈、胸痛、めまいなどの副作用があります。ED治療薬は陰茎に血液を流入させるために血管を拡張させるのですが、全身の血管も拡張させる作用もあるため、血圧が下がることもあります。普段から血圧を下げる薬を飲んでいる人は、過度に血液が下がる可能性があり、内服前に医師に相談しておくことが必要です。