妊娠中にペットを飼う際の注意点

ペットのもつ感染症を防ぐ方法

結婚前や新婚時に犬や猫のペットを飼っていたという人も多いのではないかと思います。
可愛らしいパートナーとなるペットですが、妊娠中ということになると少し注意が必要です。

まず最も大きな問題になるのが、妊娠初期には体調を大きく崩しがちになってしまうことから、それまでできていたペットの世話ができなくなるということです。

通常であれば犬の散歩や猫のトイレなど細かく世話をすることもできますが、つわりがひどく寝たきりに近い状態になってしまうと、到底それらを行うことができません。

妊娠4ヶ月目を超えた頃になれば少しは落ち着いてきますが、2~3ヶ月という長い間ペットの世話が疎かになってしまうということを考えると、何らかの対策をとっていくことが必要です。

それとペットが室内にいることにより、感染症のリスクが高くなってしまいます。
普段ならブラッシングや抜け毛の処理をきちんとできるのでそれほど問題はないのですが、室内が汚れがちになると空気中にホコリが舞ったり、ノミやシラミが発生しやすくなるので感染症の危険性が高まってしまうでしょう。

そうした環境では生まれてくる赤ちゃんのアレルギーの原因にもつながってきてしまいますので、妊娠初期のうちはできればペットによる不潔な環境を避けるべきと言えます。

手洗いする、犬のブラッシングをする等

とはいえきちんと家族やヘルパーさんによりペットを清潔に保つことができるなら、それほど神経質になることはありません。

ペット由来の感染症の中でも最も怖いのはトキソプラズマ症ですが、これはペットの糞もしくは体液を仲介して起こります。

ですのできちんと糞尿の処理をしていたり、ペットと口移しをしたりといった過剰な接触を避ければ感染の危険性は大きく下がります。

妊娠中にペットと生活をする時には、まず手洗いを徹底し、それといつも以上にブラッシングと抜け毛処理をして清潔な室内を保つようにしていきましょう。

トキソプラズマ症は自覚症状があまりない病状なのですが、妊娠中に感染してしまうと知らずに胎内の赤ちゃんに悪影響を及ぼすことになってしまいます。

悪い場合には思い脳症や水頭症など、大きな障害のもとになるような重い病気を誘発してしまうこともあるほどです。

妊娠前に感染していて既に治っているなら問題ないのですが、妊娠中に感染が起こると非常に大変なことになるので、ペットがいる家庭で妊娠中を過ごす時にはきちんと血液検査をして、感染していないことを確認しておきましょう。

通常の妊婦健診でペットのことを相談しておけば、あらかじめトキソプラズマ抗体検査をしたり、他の感染症がないかを調べることができる血液検査を勧められます。