イタリアの幼稚園の特徴
日本国内の保育問題が伝えられる時に、よく引き合いに出されるのがヨーロッパでの子育てです。
ヨーロッパは個人主義の国といわれていますが、実際子供の時からの教育で重視するのはそれぞれの自主性です。
まずイタリアの教育の象徴とも言えるのが「自己肯定感」の構築です。
イタリアを含むラテン系の人は、内気な日本人から見て非常に開放的で明るい性格をしています。
特に恋人やパートナーに対して、非常に熱烈な愛情表現をするということは良く知られていることでしょう。
これは子供に対しても言えることで、イタリアにおいては子供に愛情を示す態度を出し惜しみすることなくその子に対して「必要にされていること」や「自分が価値のある人間であること」を教えていきます。
また、イタリアはヨーロッパの国々の中でも子供に対してかなり過保護な制度が整えられており、特に14歳未満の子供を放置した者は懲役刑になるという法律があるというので驚きです。
子供の送り迎えを親が行うのはもちろんのこと、子供だけでお留守番をさせることも罪になるというのですから、幼稚園でもまさに片時も目を離さないという教育になります。
1クラスの人数は18~26人と少なめで、内部に年少・年中・年長といったクラス分けをしません。
いわゆる異年齢児保育というものですが、そうした年齢のことなる子供たちに対して先生が2人つくという体制が一般的にとられています。
日本との違い
日本においても幼少期教育の重要性は十分に理解されているところですが、それはどちらかというと集団の中に上手に溶け込むということを第一目標にしているものです。
社会性を養うことは確かに重要ですが、それが過剰になりすぎると「人と違うことはしない」「他人に余計な自己主張はしない」ということを子供の心に植え付けることになります。
日本において見ることができるイタリア出身の有名人や芸能人は、年齢に関わらずしっかりした考えをしている人が多いですが、それらも子供の時から自分自身への自信を植え付けてもらっているからの行動であると言えます。
またイタリアにおいては、子供に対して子供扱いをするということがありません。
幼いうちから先生が子供に対し、大人に話すように語りかけるため、より早くに子供にとって自立心が養われることになるのでしょう。
日本の教育と大きく違うのが、イタリアにおいては子供同士で遊んでいる時に何らかのケンカが起こっても、先生が積極的に仲裁に入らないということです。
結果として負けた子供が泣いているときには慰めますが、ケンカの成敗を大人がするということは基本的には行いません。
イタリア流子育てが完全に良いというわけではありませんが、日本の教育方法と比べて見習うべき点は多いといえますね。