年齢を考慮する
自分の足で歩けるようになる頃から、子供は急激に成長をしていきます。
少し前までは自分では何もできなかったはずの子供が、自分から身の回りのことをやりたがる場面が増えていく様子は、親にとっては喜ばしくもちょっぴりさみしいものでしょう。
そうした身の回りのことの中でもちょっと注意をしておきたいのが一人での入浴です。
年中さんくらいの年頃になると、一緒にお風呂に入っていてもほとんどの子供は自分で自分の体を洗ったり、着替えをしたりすることができるようになります。
ただお風呂場の浴槽というのは家庭内でも非常に事故が多く、幼い子供が溺れてしまうというケースが多い場所です。
東京消防庁の調査によると、平成27年内に起こった家庭内の死亡事故のうち1~14歳の子供が浴室で溺れた事故は87件にもなっています。
家庭内で起こる子供の事故のうち1/4は浴槽によるものなので、子供だけで水周りにいる時は十分に注意をしておく必要があります。
子供の自立を早く促すために一人での入浴をすすめる保護者さんもいるかもしれませんが、アンケートでは一人で入浴をするようになった年齢は男女とも10~11歳くらいが平均なので、未就学児や小学校低学年から慌てて入浴させる必要はそれほどないでしょう。
事故の問題だけでなく、幼い子供にとっては裸でコミュニケーションができるお風呂は両親の愛情を感じられる重要なものであるので、子供からどうしても一人で入りたいと言うまでは無理にさせようとすることもないのかもしれませんね。
お風呂でできることをチェックしておく
一人で入浴をしたがるようになったら、まずは一緒にお風呂にいる時、どこまでのことができるかということをチェックしてみましょう。
お風呂で行う一連の動作がきちんとできるようになっていればOKというふうに条件を出せば、子供もそれを目標にしやすいですし「自分の力で許可をもらった」という肯定感にもつながります。
チェック項目としては「かけ湯ができる」「体が洗える」「髪の毛が洗える」「浴槽に一人で入ったり出たりできる」「自分で着替えが用意できる」といったことがあります。
またお風呂場は子供が大好きな水遊びの場でもあるので、一人で入ることでふざけてしまうことも考えられます。
水遊びそのものは悪くはないのですが、調子に乗って溺れるということがあってはいけません。
一人でお風呂に入る時には、溺れてしまう危険性を十分に伝えておき、自分の身を守ることやその後に入る家族のために汚さないことなどをしっかり徹底させておきたいところです。
逆にいつまでも一人で入浴したがらない子供もいたりしますが、そうした時には絵本などで一人でお風呂に入るイメージを上手につけていってあげましょう。